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"おんなさる”

「○○さん、おんなさる?」

ある受付窓口に、一人の男性がこう言って入ってきた。

受付を担当していた男性は、

「おんなさる?? おんなさる? おんなのサルかい?」

「いえ、○○先生、いらっしゃいますか?」

これは、だいぶ前ですが、私が東京で実際に耳にした会話です。

受付担当の男性は、「おんなさる」という言葉が、理解できなかったようです。

私には、懐かしいというか、「おんなさる」という言葉を使う人がまだいたことに、(しかも東京に、)驚きました。

私自身は使いませんが、「おんなさる」という言葉に親しみを感じるのです。

○○先生は、不在だったので、男性はそのまま帰りましたが、私は、追いかけて、「あなた、もしかしたら、九州の出身ですか?お年寄りの人と一緒に住んでましたか?」と尋ねてみたい衝動にかられました。

この「おんなさる」 という言葉は、たぶん 「おりなさる」が 撥音便化したものだと思います。

「おり」というのは、「居る」ということ。ルーツをたどれば、たぶん、古語の「あり、をり、はべり、いまそがり」の「をり(おり)」でしょう。「なさる」は、尊敬語だと私は解釈しています。

「おりなさる」は、発音しにくいので、「おんなさる」に変化したのでしょう。

この言葉、昔、田舎のおばあちゃんたちがよく使っていたのです。割烹着を着て、つっかけ(サンダル)履きで、田舎万十とか取立ての泥つき野菜などを持って、「○○さん、おんなさる?」 とか「おらっしゃる?」とか言いながら、決して玄関ではなく、勝手口や縁側から声をかけて、入ってくるのです。笑顔でにこにこしながら、やってくるのです。

あの日から、ずいぶん時間がたち、「おんなさる」のことは、すっかり忘れていました。

今日、たまたま、偶然手にした雑誌に 「隣の”おんなさるさん”」という投稿が出ていまいた。

目が釘付けになりました。わたしの思いと同じようなことが書いてありました。

福岡市、64歳の主婦の方でした。

   ~ある雑誌より (1)~   つづく

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