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盛りだくさんな一日 (その3)

田町から山の手線に乗っていたら、次の浜松町で、階段を駆け下りてこられたらしく、はあはあ、息を切らしながら熟年ご夫婦が、私のすぐ前に乗ってこられた。

私は、そんなに息を切らすほど走って乗らなくても、5分で次の電車が来るのに・・と思っていた。息をはずませながら、「さっさと出てくればよかった。」「見送りにぐずぐずしていたから」「サンジュウハチフン間に合うかな」というちょっと訛りのある会話が聞こえてくる。見ると、大きくて立派な紙袋を持ち、白ネクタイ。どうやら、甥か姪など親戚の結婚式に出席して、新幹線で帰るところらしい。

「乗り換え間に合うかな?」「時間大丈夫?」と聞こえてくる。

私は、躊躇していたが、思い切って聞いてみた。

「東京から、新幹線ですか?」

「はい、東北新幹線です。会津まで行きます。なんせ、田舎から来ていますから、駅がようわからんで・・田舎者ですから・・・」すこし、恥ずかしそうに話された。

会津と聞いたとき、なぜか、会津出身の友達の顔が私の頭に浮かんだ。

「東京は、駅が広くて大きいので、住んでいる私たちだって、普段使わない駅は、わかりませんよ。出入り口だって、たくさんありますから」気の毒になって、慰めともつかぬ言葉を口にしながら、「新幹線は、何時ですか?」と聞いた。ご主人が、切符を出して、「3時8分、やまびこ・・・」とおっしゃる。(さっき、サンジュウハチフン のように聞こえたのは、3時8分のことだった)

時計をみると、2時45分を過ぎている。山の手線が東京駅に着くのは、確実に50分を過ぎる。人が多い東京駅でもたもたしていると、乗り遅れるかもしれない。「東京で、新幹線乗換え口まで、一緒に行きましょう。私も、東京でほかの線に乗り換えますから」

お二人を、新幹線の改札で見送った。

改札を出られて少し進んだところで、奥様は振り返り、とても丁寧に二度も頭をさげられた。その姿が、目に焼きつき忘れられない。

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